Case 171

60代,女性。検診異常陰影。

解 答

左肺尖部の胸壁から線状陰影を認める(◯印)。右肺尖部には陳旧性炎症性変化の所見なし。

説明のつかない線状陰影は肺癌の存在を疑う所見である。

図A 単純写真(正面)
図A 単純写真(正面)

画像所見

[thin-section CT]

・左肺尖部に径22mm大のmixed GGN(ground glass nodules: すりガラス状結節)あり。
・胸膜陥入像を認める。
・GGN内部が収束して胸膜陥入が出現した経過が推測される画像所見である。
・すりガラス影(ground glass opacity: GGO)の部分は単純写真では確認できず,胸膜陥入所見のみ単純写真で確認が可能である。

図B TSCT
図B TSCT
図C TSCT
図C TSCT
図D TSCT
図D TSCT

術後病理結果

Lepidic adenocarcinoma

【出題・解説】
齋藤 春洋(神奈川県立がんセンター 呼吸器内科)

(本症例は第25回肺がん画像診断セミナーで出題されました)