Case 174

60代,男性。検診異常陰影。

解 答

左第1肋骨尖端に重なって小結節陰影を認める(◯印)。右には認めず,左右差がある。右の上中葉間の線状陰影は,両側肺尖部の陳旧性胸膜肥厚と一連の陳旧性炎症性の所見と判断する。

左右差のある所見は肺がん検診でチェックすべき候補である。左右があり,撮影条件等では説明がつかない場合は,肺癌の存在を疑う。

図A 単純写真(正面)
図A 単純写真(正面)

画像所見

[thin-section CT]

・左肺尖部に径12mm大の分葉状の結節あり。
・胸膜陥入を伴う。
・複数の気管支・血管の関与あり。
・肺癌のthin-section CT(TSCT)画像所見が揃っている。

図B TSCT
図B TSCT
図C TSCT
図C TSCT

術後病理結果

Invasive mucinous carcinoma

【出題・解説】
齋藤 春洋(神奈川県立がんセンター 呼吸器内科)

(本症例は第25回肺がん画像診断セミナーで出題されました)